ある日、父が要介護になった。

初めて直面した、親の介護ネタを中心に。

とーちゃんからのSOS

とーちゃんは、過去に危篤になったことがある。

今から10年くらい前だ。

その時は胆石をこじらせて(?)、敗血症になってしまい

本当に「今夜がヤマです」的な事を主治医から言われた。

とーちゃんは見事にヤマを乗り越えて、半年くらいで退院した。

その時、とーちゃんは私との同居提案を、面倒くさいと華麗にスルー。

 

2年ほど前に、前立腺の手術をする時も

私達には知らせず、手術が終わって退院間際に連絡がきた。

看護師さんに「娘さんたちに連絡しなさい」と怒られたから連絡したそうだ。

怒られなきゃ入院したこと言わないつもりだったそうな。

 

そんなとーちゃんが。

今年の2月、東京に大雪が降った数日後の夜、突然ねーちゃんに連絡してきた。

 

「何も食べ物がない。ご飯買ってきてくれないか」

 

内緒話をしてるのかと思うほどの小さい声。

何を聞いても要領を得ない返事。

 

ただごとじゃない、と感じたねーちゃんは救急センターに相談。

そして救急車で病院に運ばれた。

 

夜遅かったことと、ちょうど仕事終わり且つ帰宅前だったので

ねーちゃんから連絡を受けた私が、そのままタクシーで病院へ向かう。

 

検査の結果、食べてないせいで衰弱してるものの、特に問題なく

本人の意識もはっきりしてたため、帰宅。

 

なんでもっと頻繁に連絡とらなかったんだろう。

お正月ですら挨拶の電話もしなかった。

なんてひどい娘なんだろう。

今でも申し訳ない気持ちで苦しくなる。

 

きっと、とーちゃんは歩くのもしんどくなって

雪も積もって外出できなくて

お腹減ってどうにもならなくて、我慢して我慢して

それでも耐えられなくなって、SOS出したんだ。

本当に、本当にごめん。

あの時出してくれてなかったら、多分、とうちゃんは餓死してたと思う。

SOS出してくれて本当にありがとう。

 

病院から帰る前に、先生にこう言われた。

認知症の可能性があるので、後日改めて脳の検査をしたほうが良いです」

 

そしてこの数日後、ねえちゃんが大活躍。